アレンジでわくわく
家庭の重曹(タンサン)活用法
2018.12.07
How to use タンサン
食品用グレードの重曹をキッチンに常備すれば、さまざまな活用法があります。それぞれの使い方や注意点などを個別に確認していきましょう。
![]() タンサン(重曹):(左)50g、(右)400g |
#タンサン使い方 #重曹使い方 #重曹使い道 #食用グレード
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1 山菜のあく抜き
得意:ふき・わらび・ぜんまいなどの山菜あくぬき
注意:使用量が多すぎると柔らかくなり過ぎる
《使い方》
① ふき・わらび・ぜんまいなどの山菜1kgに対し、タンサン小さじ1杯(約3g)を1リットルの熱湯に溶かします。
② その熱湯に山菜を浸け置き、湯が冷めてきたら十分水洗いすれば、あく抜きの終了です。
春の味覚「山菜」のあくは、採ってから時間が経つほど強く感じられるので、できるだけ新鮮な山菜を利用するのが鉄則。しかし、“あく” も山菜の風味の一部と考えるなら、抜きすぎは厳禁。あくを抜きすぎて柔らかくなり過ぎないよう、タンサンの使用量には注意が必要だ。
2 素朴なお菓子
得意:炭酸ガスでふっくら効果
注意:入れ過ぎると苦みが増す
《使い方》
小麦粉100g に対して、タンサン1~2g 程度をよく混ぜて使うと、ふっくらと仕上がります。
ベーキングパウダーはあらかじめ酸が加えられており、水を加えた瞬間から反応し炭酸ガス(二酸化炭素)を発生させる。一方、タンサンは加熱されてはじめてガスを発生させるところが大きな違い。また、同量で比較すればタンサン利用時のふくらみ度合の方がはるかに大きい。よって、タンサンにはベーキングパウダーよりも使用量を少なくすることができるメリットがある。注意すべき点はその加える量。タンサンを過剰に加えると特有の苦みを感じ、小麦粉の生地もやや黄色く変色することも知っておこう。
3 ふんわり煮豆
得意:豆を芯まで柔らかく煮崩れも防止
注意:アルミ鍋・銅鍋の利用は厳禁
《使い方》
煮豆を作る際、豆100g に対して小さじ1/3~1/2杯(およそ1~1.5g)を加えて煮ると柔らかく煮崩れしにくくなります。
タンパク質を分解する働きのある重曹は、固い豆の表皮を柔らかくし、圧力鍋でなくとも芯までふっくらさせる働きがある。とは言え、おいしい煮豆を作るコツは、よい豆を選び使うことが一番。火の通りにムラが出にくい、粒の大きさがそろった豆を利用しよう。最後に、アルミ鍋や銅鍋を使うと変色してしまう場合があるので厳禁。言うまでもなく重曹の入れ過ぎにも注意が必要だ。
4 まるで高級肉
得意:硬い肉も驚くほど柔らかく
注意:やはり入れ過ぎに注意
《使い方》
① 容器に水400~500ccと重曹小さじ1杯、お好みで塩を少々を加え、そこへ硬い肉を浸します。
② 1~2時間ほどしたら軽く水洗いしてキッチンペーパーで水気をよく拭き取れば下ごしらえの終了です。
重曹がタンパク質を分解することで肉を柔らかくするこの技。もちろん浸す時間の長さによって効果の表れ方は変わるが、くれぐれも重曹の入れ過ぎ、浸し過ぎには注意。重曹には特有の苦みがあるので、軽く水洗いして水気をよく拭き取る手間は惜しまずに。
5 まるで生麺
得意:インスタント麺がモチモチ麺に変化
注意:スープに重曹を加えた湯を使うことなかれ
《使い方》
① 水2Lに対して重曹小さじ1/2~1杯程度を加えてインスタントラーメンを茹でます。
② 茹であがった麺はざるでよく水を切り、別のお湯で作ったスープへ入れて完成です。
“かんすい” の代用にもなる重曹、こうすることでインスタント麺がモチモチ麺に大変身。守るべき大事なポイントは2つ。1つは茹でた湯でスープを作らないこと。スープには必ず重曹を加えていない別のお湯を利用しよう。もう1つは熱湯注意。調理中にやけどしないことだ。
6 魚のぬめり取り
得意:ぬめりと臭いを抑えられる
注意:表面の重曹残りに注意
《使い方》
① 魚の表面に重曹を適量振って軽くこすり、よく洗い流します。
② キッチンペーパーで水気をふき取れば下ごしらえの完成です。
重曹の細かい粒子による研磨作用と弱アルカリ性による酸性臭の消臭効果によって、魚のぬめりを取り生臭さも抑えられる。切り身の場合は重曹を加えた水でさっとすすぐだけでもOK。どちらも最後はしっかりと洗い流し、キッチンペーパーで水気をふき取って重曹特有の苦みが残らないように注意しよう。
7 鍋のこげ落とし
得意:不注意で焦がしてしまった鍋のこげ落とし
注意:アルミ鍋や銅鍋は変色することがありNG
《使い方》
① 鍋に水を張り、重曹を小さじ2杯程度加えて火にかけ沸騰させます。
② 火を止めてお湯が冷えるまで数時間放置しておくと“こげ” がはがれやすくなります。
③ 最後はスポンジなどで残ったこげを丁寧にこすり落とせば終了です。
鍋や汚れの状態によっては一発で剥がせる爆発力あり。しかしそこは展開次第なところもあって過度の期待は禁物。重曹を使うことになった場合、くれぐれも鍋の素材にだけは注意を払い確認を怠らないように。しかし一番大事なのは鍋を焦がさないように使うことだ。
8 汚れ落とし
得意:茶渋・水垢や油汚れなどキッチン周りの汚れ
注意:力を加えすぎれば当然傷がつくことも
《使い方》
重曹を水に溶かしても、少量の水でペースト状にしても、もちろん粉末のままでもOK。汚れている部分にふりかけて優しく擦りましょう。
キッチン周りの水アカや油汚れには、細かい粒子による研磨効果と弱アルカリによる中和効果が期待できる重曹を使ったお掃除が有効。しかし、汚れを擦る際に落ちないからといって力を過度に加えないように注意しよう。重曹の研磨効果によるものはもちろん、その己の力で大事なものに傷をつけてしまっては本末転倒だ。
9 消臭
得意:生ごみや靴箱などの酸性臭を消臭
注意:廊下への粉残りは非常に滑りやすく注意
《使い方》
重曹をカップに入れて蓋をせずに、そのまま冷蔵庫や靴箱に置いたり、適量を水に溶かしてスプレーとして使用しても利用できます。
排水溝や生ごみ、靴箱の嫌な臭いは全て酸性物質の臭い。重曹の弱アルカリ性の性質で効果的に中和して臭いを消すことができる。そう考えると逆に、トイレのアンモニア臭などアルカリ性の臭いには効果がないことが分かるはずだ。また、水に溶かしスプレーして使用したときは、乾いた後に重曹の粉残りが起こる場合がある。普段歩く場所ではとても滑りやすく危険なので、しっかり拭き取ろう。
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《おわりに》
重曹には医薬品用・食品用・工業用の3つのグレードがあります。今回ここで紹介したのは食品用グレードの重曹の活用法です。特に食べるものに対して使用する場合には、必ず食品用グレード以上の重曹を使うようにしましょう。
今回使用した食品用グレードの『重曹(タンサン)』は こちら